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北米大干ばつの影響が穀物価格へ

  北米中西部の記録的な干ばつに見舞われている。 世界の穀物の主要輸出国である米国では、50年ぶりの大干ばつと猛暑による被害でトウモロコシや大豆といった飼料の価格が今月に入り最高値を更新し、製油各社や飼料メーカーの危機感は2008年の大相場を超えるものとなっている。

 大豆に関しては、仮に8月末までにまとまった降雨があれば、悪化に歯止めがかかると言われているが、トウモロコシについては既に、作柄の悪化は間違いのないところまで来てしまっている。これらの状況は、食用油はもちろん、豆腐や味噌など大豆製品への影響が大きく、ここ連日報道番組等でもクローズアップされ始めている。

 とうもろこしは、2008年度に付けた史上最高値を更新してしまった。あまりの急騰ぶりに、日本の配合飼料メーカーは買い場を失った感があり、年末に向けて原料手当ての目算に不安を高めている。同様に、大豆の価格も上昇してきている。南米の大豆減産の影響を受け、とうもろこしより出足の早い価格上昇であり、トウモロコシのように代替えの多い原料でないため、畜産の必須のたんぱく原料である大豆への影響は、より深刻との側面もある。

 価格面では大豆ミールも史上最高値を更新している。しかしながら、現在は円高であるため、その円高メリットがあるのは多少の救いだ4。

 いずれにせよ、干ばつが続けば小売価格も高騰する可能性大であり、専門家によれば一般的にはトウモロコシの価格が50%上昇するごとに食糧価格は1%値上がりすると言われており、さらに肉類や乳製品はもっと深刻な影響を受ける可能性がある。さらには牛肉はもとより、豚肉、鶏肉までも値上がりする可能性もあるだろう。