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豚流行性下痢(PED)、17県で確認 青森・大分などで4万頭死ぬ


 農林水産省は2日、子豚が感染すると高い確率で死ぬ豚流行性下痢(PED)の発生が、青森や大分など17県に拡大し、これまでに4万頭近くが死んだことを明らかにした。この日、都道府県の畜産担当者を集めた全国会議で説明した。人がPEDに感染することはないが、豚肉の流通量が減り、価格高騰を招く恐れもある。

 PEDは昨年、国内で7年ぶりに発生。10月に沖縄県で1例目が確認された後、感染が拡大。今年2月にいったん減少傾向となったが、3月に入って再び増え始めた。

 死んだ頭数(3月31日時点)は少なくとも鹿児島県で2万5千頭、宮崎県で9326頭、3月に感染例が見つかった大分県で1410頭に上るなど九州地方で多い。全国では3万9149頭に上っており、大きな被害が出た1996年と、ほぼ同規模となっている。

 PEDは、ふんなどを通して広がる。この日の会議では感染拡大を防ぐために、農場の入り口で車両の洗浄・消毒を実施することや農場の訪問者に専用の衣類を用意するといった対策を畜産農家に徹底してもらうよう改めて求めた。

 農水省の担当者は「今は発生していない地域でも感染が広がる可能性はある。緊張感を持って対応をお願いしたい」と呼び掛けた。

日本経済新聞 4月2日号より抜粋