トップページ > 最新情報 > ペルーアンチョビー資源急減年後半の漁不安強まる

最新情報


ペルーアンチョビー資源急減年後半の漁不安強まる

飼料通信 平成26年10月22日 第4077号より抜粋)

 ペルーの海洋研究所(Imarpa)の資源調査の結果が公表され、異常は驚きをもって受け止めた。発表された資源量は145万トン止まり、前回調査の1000トンから急減してしまっている。この資源量は1997-98年度に強いエルニーニョが発生した時以来の少ない数字となっている。今回の確認された資源も65%が若年魚となっている。

 今回の資源減少は、今春からの度重なるケルビン波の影響で海水温度が上昇し、水中の酸素濃度が低下したため植物プランクトンの減少で資源が大きく減少したとの見方が有力となっている。同研究所が資源大幅減少を発表したのは、今年度夏(11月、12月)のアンチョビー漁を中止し、資源が通常な状態に戻るまで待つべきだと提言している。同研究所は今後資源の再調査を行うとしているが、悲観的な見方が強い。このため、中小漁民向けの漁獲枠(50万トン程度)が発給される可能性はあるが、大きな漁獲枠が出る可能性は一段と低くなっている。

 この発表を受けて産地の生産量は、魚粉の新規オファーをしなくなっている。今後、どの当たりのレベルで売り物が出てくるのか不明である。

 日本の養魚飼料メーカー筋は来年3月末あたりまでの原料は確保しているとされるが、今年度末のペルーのアンチョビー漁が無くなる様だと原料魚粉確保が一段と難しくなるとの懸念が出ている。