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家畜の病原体殺菌に画期的効果

(食肉通信 2015年3月24日号より抜粋)

 一般社団法人ミネラル活性化技術研究所(福岡県大牟田市、古崎孝一代表理事)は3月18日、東京大学農学部の中島董一郎記念ホールで「テラヘルツ実用化による新技術公開報告会」を開催し、テラヘルツ水「MCウォーター」の高い殺菌効果について紹介した。その効果は、ウイルス、殺菌、真菌ばかりでなく害虫駆除にも及ぶ。講演では古崎代表理事がテラヘルツ技術の詳細と実用化事例を紹介したほか、東京大学特任教授で国際獣疫事務局(OIE)専門委員を務める小野崎節氏が「消毒法の進展について」と題して講演。また酪農学園大学獣医学郡獣医ウイルス学ユニット教授の桐澤力雄氏が「テラヘルツ水の口蹄疫代替ウイルスに対する抗ウイルス効果」と題してテラヘルツ水の殺菌効果に関する検証結果を披露した。

 ミネラルと水だけが原料のテラヘルツ水は病原体の分子構造を変性させるだけの高いpHを維持し、放電によって遺伝子情報を破壊する。害虫を含め、ウイルス、殺菌、真菌などすべての病原体を殺傷する能力がある。しかし、合成化学物質を使用していないため人畜無害で、飲んでも害が及ばず環境にも優しい。金属や塗装にダメージを与えないため、動物運搬車両の消毒にも使える。繰り返し使用しても病原体の薬剤抵抗性を促すことがないため、多剤耐性菌についても有効と考えられる。

 また北海道の農場で導入された事例報告として、粉ミルクをテラヘルツ水で溶かして子牛に与える現場を映像で消化したほか、糸状菌による牛皮膚病の治療にも有効なことを披露した。

桐澤教授は口蹄疫の被害が世界的に継続している状況を紹介。「ウイルスは4種類の型に分類されるが、テラヘルツ水はすべてのタイプのウイルスを瞬時に不活化する可能性が高い」と報告。①口蹄疫の代替ウイルスとして牛鼻炎Bウイルス(エンベロープなし、RNAウイルス)は一分間で99.8%が不活化しており口蹄疫を瞬時に不活化する可能性が高い。また②牛アデノ7ウイルス7型(エンベロープなし、DNAウイルス)および③牛伝染性鼻気管炎ウイルス(エンベロープあり、DNAウイルス)④牛パラインフルエンザウイルス(エンベロープあり、RNA型)の3種は99.99%不活化したことを受け、テラヘルツ水はウイルスを不活化する能力を有し、消毒用資材として有望だとした。

今後、実際に口蹄疫ウイルスを使った不活化能力の検証および牛・豚・鶏・馬・犬などの動物ウイルス不活化能力の検証が進められる、と検証の方向性を示唆した。