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中部飼料の資本業務提携は業界に波紋広げるか?

(飼料通信 2015年8月3日号より抜粋)

 中部飼料は、伊藤忠飼料(商事も含む)と日本ハムとの資本業務提携を発表した。伊藤忠飼料とは別会社みらい飼料(中部飼料が51%出資)へ出資して配合飼料生産面の主導権を握る形となり、配合飼料の生産面ではフィード・ワンを超える商系トップメーカーとなると見られる。特に、配合飼料業界は全農と大手四商社系で全体の四分の三以上のシェアを確保することになるようだ。
 今回、配合飼料メーカー同士の業務提携と共に中部飼料と日本ハムの資本業務提携も発表された。配合飼料メーカーが一段と寡占化する中、配合飼料の大手ユーザーとしても先行き配合飼料確保に不安が出てきたともみられるだけに、配合飼料確保に対するリスクヘッジの意味合いも見られる。
 確かに、大手四商社の傘下配合飼料中心に寡占化が進む中、とうもろこしなども安売り競争が減少してきていると言われる。従来よく言われたが大手商社は傘下の配合飼料メーカーには高い原料を供給し、他メーカーにお安い原料を供給しているとも言われていた。しかし、寡占化が進めば、自社の子会社の利益確保が先行するのは当然の動きで、子会社の利益をそいでまで原料を競争して売る必要がなくなる可能性がある。今回の業務提携が業界の再編成を加速させる可能性が一段と強まっている。