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飼料畜産業界 今年度は逆風吹くのか?

 飼料畜産業界は、ここ数年畜産物市況の好調を受け安定した経営が続いてきた。特に、TPP問題などで悲観的な見方が強まっていた中だけに思わぬ展開となってと言える。
 しかし、今年度は逆風が吹く可能性が出てきている。為替が大きく円高に振れる中で通常なれば配合飼料価格は引き下げとなるパターンであるが、今回は円高下の原料価格の上昇と言うあまり無い状況となっている。特に、今回は大豆ミール価格の上昇は影響しそうである。アルゼンチンの干ばつでシカゴ大豆ミールの急騰が響き価格は大きく上昇している。加えて買い遅れで残り成約時間が一か月なくなった段階でまだ7割程度の買い残しがある。現状の高値で買い付けると前期より5,000円程度の成約価格上昇に追い込まれる懸念が出てきた。また、円高で下がるとみられていたとうもろこし価格も若干ではあるがコスト上昇になる懸念が出てきた。シカゴとうもろこし定期のジリ高もあるが、プレミアムの上昇もコスト上昇の懸念が出てきた。ウ羽状はシカゴとうもろこし定期が上がるとプレミアムは下がると言うパターンであるが、今年度はアルゼンチン産を買えなかった東南アジア筋は米国に流入していることもプレミアム上昇に繋がり、とうもろこしコストを押し上げてしまった。主力原料が上昇に転じているだけに配合飼料の値上げは避けられず悪くすると1,000円程度の値上げにもなりそうだとしている。
 更に、円高で輸入畜産物は素直に価格下落となり、輸入畜産物の増加が国内畜産物市況を押し下げる懸念もあり、飼料高、畜産物安の懸念も出ている。

(飼料通信 2018年3月5日号より抜粋)