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中国のアフリカ豚コレラまん延止まらず世界への影響は?

中国農業農村部は、4月に海南省でアフリカ豚コレラの発生が確認されたと発表した。同省での感染確認で、中国全土31省・自治区・直轄市全てで発生が確認された。中国のほか、今年1月にはモンゴル、2月にベトナム、3月にはカンボジアでも発生が確認され、深刻な状況が続いている。 中国は豚肉生産、消費で 世界最大と見られている。2017年の豚肉生産量は5,340万㌧を記録し、せかいでの生産量の5割を占めているとみられている。

現状では有効なワクチンはなく、飼養管理での対策が中心となるが、まだ飼養農家数が2,700万戸程度あると推定され、庭先養豚の域を脱しない生産者も多いとみられているだけに、どこまで有効な対策が取れるかという懸念はある。

1部では、中国の豚飼養頭数は4億頭とも言われ、このうち1億3,000万頭(3分の1)程度の豚が被害を受けるのではとも言われている。

中国政府も防疫対応はしているとみられるが、効果のほどは?マークが付く。このため、現実的には不足する豚肉を輸入すると言う選択肢も出てきている。需給規模が大きい国だけに本格的な買い付けになれば世界の豚肉市況にも影響が出てくる。また、1億頭以上の豚が減少するようだと大豆ミール需要を直撃する可能性もあり、大豆も何処まで帰るのかという状況も生まれる。食料確保には力を入れている中国政府の動き次第では穀物・食肉市況の大波乱もありそうだ。

(飼料通信 令和元年5月15日号より抜粋)