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(視点)飼料用油脂回収油好調で先行きタイトの可能性も

飼料用油脂の目先需給は、ブロイラー生産が若干元気がないことや、夏場の不需要期を迎えていることもあり、荷もたれ感も出ている。

しかし、最近は回収油の輸出が活発化しておきており、今後も継続的に輸出が期待できることもあることから、先行きタイトの可能性も出てきた。

回収油の輸出は、2014年は年間4万㌧程度でほとんどが韓国向けの輸出となっていた。2018年度には輸出が倍増の8万㌧まで拡大し、輸出先もシンガポールをはじめ、オランダ、ポルトガル、スイスなどが急増している。EUは、燃料用作物生産の過程で産地の温暖化進行の可能性があるとして、パーム油由来のバイオ燃料を2023年度から段階的に廃止すると決めた。これとは逆に廃食用油由来のバイオ燃料は、ライフサイクルアセスメントの観点から、CO2の排出制限に貢献度が高い評価されてEU内で切り替えが進み始めたことが影響している。

また、米国カリフォルニア州などでもディーゼル車規制を強め、代替エネルギーとして動物油脂、回収油が注目されている。米国内では本格的に切り替えるには供給が追い付かないという状況の様である。

日本では、飼料用油脂は、動物油脂と回収油で年間42万㌧程度消費しているが、用途の拡大が進めば需給は一気にタイト化する可能性が出ている。

(飼料通信 2019年7月1日号より抜粋)