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過去最大規模のサルモネラ食中毒(米国)

 米国では今年5月からサルモネラ菌が原因の食中毒の件数が、例年の4倍以上に増加している状況を受け、中西部・アイオワ州にある卵の出荷会社の出荷した鶏卵のうちおよそ2億3000万個がサルモネラ菌に汚染されている恐れがあるとして、8月13日から自主回収が行われている。

 8月25日現在では、その数約5億5000万個まで拡大し、その回収量はさらに拡大する見込みだ。

 今回の汚染卵はアイオワ州の2業者で生産され、24の異なるブランドで22州で販売されていたとされ、米国疾病対策センター(CDC)によると、5月1日以降、サルモネラ菌が原因とみられる食中毒患者は約2000人に上る。

 業界団体「ユナイテッド・エッグ・プロデューサーズ」によると、全米の産卵鶏の95%はたった192の大規模業者に集中し、その数も1987年の2500業者から大幅に減少していることが挙げられる。これは相次ぐ整理統合によるものであり、消費者団体からは、「1社が間違いを犯したら、多くの食料に影響が及ぶ」といった声も聞かれている。

 しかも今回は、FDA(米食品医薬品局)、農務省、州にまたがる規制監督制度のはざまに入り込み、「卵生産者の大半は野放しの状態だった」と言われており、問題のアイオワの業者も、当局による鶏舎の検査を受けていなかったといわれている。

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 このような大量感染の場合は、垂直感染の場合が多く、種鶏を含めて構造的な汚染である場合も多い。食の安全意識が高まるここ日本でも米国同様、食に関連する各関連業界への十分な調査・監視と、警戒の必要性が出てくることになるだろう。