トップページ > 最新情報 > 猛暑で家畜大量死 飼料消費にマイナス影響

最新情報


猛暑で家畜大量死 飼料消費にマイナス影響


7月の豚、牛のと畜頭数が軒並み減少していることが、農水省の「食肉流通統計」で明らかになった。特に牛は前年同月比95.5%と低調。

宮崎の口蹄疫の影響が一部に出ていることもあり、と畜頭数減少は8月にもまたがる可能性が高い、との見通しが出ている。

--

やはり、8月の猛暑で家畜の死亡が相次いでいることが大きな要因である。採卵鶏は13万5千羽と、前年比の約2倍にまで死亡または廃用羽数が確認され、飼育羽数の多いブロイラーに関しては29万羽まで達している。

また、大量死だけでなく、猛暑による食欲不振から乳用牛からの牛乳の生産が減ったり、豚肉の出荷が遅れているケースもある。供給減によって牛乳や豚肉の価格は上昇しており、残暑が続く中、農林水産省は畜産農家に注意を呼び掛けている。

乳用牛に関しては、死んだ頭数は959頭に達し、前回調査した2008年よりも36%増えている。特に東北地方では08年の約5倍と生産量が2割以上落ち込んだ酪農家もある。

豚に関しては死滅が600頭を超え、これまた08年と比べてやく2割強増えている。体重が増えず、出荷を遅らせるケースも多い。

農水省は、全国的な猛暑に対応して7月以降の暑熱による畜産関係の被害状況をまとめ、また同結果を受け、被害の防止に向け引き続き地方農政局を通じ各管内の気象に応じた適正指導が行われるよう通達した。

--

現段階で量的な影響は出ていない、と配合飼料メーカーは指摘しているが、全体に占める家畜の死亡率はわずかでも、異例の長期にわたる猛暑でエサの消費は全体的に落ちている。

飼料消費にマイナス影響の状況であることは間違いなさそうである。